好きとは言えない



「あのね、田所くん。言わせてもらうけどだったらどうして髪色をより明るくしたの?先週注意した時よりワントーン明るくなってるのはどうして?」

「え、先生は気付いてたんだ!?俺が明るくしたの他の奴らは言うまで気付かなかったのに」





なんでなんで?と聞いてくる田所くんに、いつも自然と田所くんを目で追ってるからなんて言えるわけがない。





「兎に角、ダメです」

「そこを何とか」

「ダメなものはダメです。今から反省文書いてもらう用紙を持ってくるからそこで待ってなさい」





そう言って立ち上がった私。





「ちょ、待って」





そんな私を引き留めようとする田所くんの顔を見ずに、生徒指導室を出ようとしたその時。


右手をグッと引かれ――



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