夢の続き
「シゲさん、今日は酒控えてくださいよ」


有里香さん同様、彼も新人時代から面倒をよく見てくれ、今でも仕事の相談やその他のこともお世話になっている。

酒に弱いということと、更には酒癖が悪いということ以外は本当に頼れる先輩だった。

酔ったとき「女癖が悪いよりはいいだろ」という訳の分からない決まり文句は、僕が入社してから何度聞いてきたか数えられないほど聞いてきた。


「俺はそんなに飲まねえよ」


この言葉も聞き飽きた。

世間一般的な量でも、彼にとっては致死量。

それを彼は把握していないというところが、どうにも非常に残念である。



会社からゲームセンターや漫画喫茶にラーメン屋。

様々なものが並び、派手な照明が並ぶ通りをスーツ姿の男が二人。


「お兄さん、お店はもう決まりましたか?」


居酒屋の客引きの格好の餌食となり、僕たちの行く手を阻んでくる。

こういうものは金曜日とか土曜日の夜だけかと思っていたが、平日にも実にご苦労なほどにやっていた。
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