星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~拓真 side ~

1日目のテストが終わり俺は

いつもの5人で歩いていた。

みんなで明日のテスト勉強をする

ことになり図書館へ行こうとしたとき

美姫『…ごめん!今日は行けないや。』

え?なんで?

美姫が来ないなんて珍しい。

夏妃もおかしいと思ったみたいで聞くと

美姫『ちょっと…ね。
みんなは勉強会やってて?』

やっぱおかしい。

でも夏妃達はそれ以上は聞かずに

図書館へ向かった。

納得できねぇ。

なんかあったのか?

拓真『…美姫?なんかあった?
体調悪い?』

と聞くが

美姫『ううん。大丈夫。
1人のほうが集中して勉強できるからさ
……ほら、詩織いるとうるさいし!』



…嘘だな。

無理して笑ってるし

お前は1人のほうが集中して勉強できる

なんて言わねぇだろ?

詩織のことも。

確かにうるさいけどそんなこと

お前は言わねぇよな?

なぁ美姫?

なにがあった?

調子が悪いのか?

それとも…

紺野と会うのか?

もし調子が悪いんなら言ってくれよ。

お前は迷惑かけたくないって言うけど

お前のこと迷惑だって思ったことは

今まで一緒にいて一度もねぇよ?

だからさ、もっと頼ってくれよ。

無理してる美姫見たくねぇんだよ。



ほんとはそう言いたいけど…

美姫は聞かねぇんだろうな。

大丈夫じゃない時でも

「大丈夫」って言うもんな。

お前の「大丈夫」は

「大丈夫じゃない」ってことは

わかってんだよ。

美姫と別れ俺たちは図書館へ行き

明日のテスト勉強。

詩織『美姫なんで来なかったのかな~?』

夏妃『なんか様子変だったよね…
朝からもなんか変だったけど…』

詩織『え!?そうだったの?』

夏妃『え、気づかなかったの!?
拓真と柊はわかってたでしょ?』

拓真『まぁな。なんかぼーっとしてたから
おかしいとは思ってたけど…。』

柊『体調悪いんじゃないか?』

詩織『あぁ~確かにそうかも!
美姫あったかかったから!』

夏妃・拓真『え!?』

夏妃『気づいてたなら早く言いなさいよ!』

詩織『ごめんごめーん。
……じゃあさあとで様子見に行こ!』

ほんとお前…

それ早く言えよな。

わかってたら美姫と帰ったのに…

柊『いや…みんなで行っても迷惑だろ。
とくに…詩織、お前うるさいから
すげー迷惑だろ。
拓真あとで様子見てこいよ。』

詩織『柊それすっごい失礼!』

柊『ほんとのことだ。な?拓真。』

拓真『あぁわかった。あとで行ってくる。』

あいつ大丈夫かな

無理してなきゃいいけど…

みんなと別れ美姫の家へ行く。




ピンポーン

『…………』

あれ?

いないのか?

まさか…この前みたいに

倒れてねぇよな?

もう1度鳴らしてみる

ピンポーン

『………』

まじかよ。

どうしよう。

鍵持ってないから中に入れないし…

頼むから出てくれよ…

しばらく待つと

ガチャ

美姫『はい。どちらさまですか?』

美姫だ。

パジャマ姿で顔を赤くして出てきた。


美姫『え…拓真!?なんで…?』

拓真『心配だから様子見に来たの。
てかなにしてんの? 』

机には教科書とノート。

拓真『勉強なんかしなくていいから。
横になってろよ。』

美姫『大丈夫だから。』

大丈夫じゃねぇだろ。

どうみたって熱あるし

体調悪いだろ。

拓真『大丈夫じゃねぇだろ!
どうみたって熱あるし体調悪いだろ!
……親父呼ぶ。』

こうしないと無茶ばっかするだろ。

美姫には悪いけど…

美姫『やめて!!
おじさんには言わないで!
テスト終わるまでだから…
終わったらちゃんと体休めるから!』

なんでそんなにテストにこだわんだよ。

別にいいじゃねぇか。

拓真『熱何度?』

美姫『…微熱だから大丈夫。』

そんなわけねぇだろ。

顔真っ赤だし。

お前の嘘はすぐにわかんだよ。

俺は美姫のおでこに手をやり

拓真『…あっちいじゃん。』

美姫『…ごめん。
…でも明日のテストは受けたいの。
だからおじさんには言わないで。
言ったら入院になっちゃう…。』

そんな状態でテストなんかできねぇだろ。

でも必死にお願いしてくる美姫に

反対はできなかった。

拓真『……わかった。
そのかわり…
今は寝てること!
テスト終わったら病院行くこと!
いいな?』

美姫『…寝てなきゃダメ?』

そんなかわいい顔しても

拓真『だめ。』

美姫のためなんだからな。

拓真『テスト受けられなかったら
意味ないだろ?』

黙ってしまった。

拓真『…キツいこと言ってごめんな?
でも…美姫が体調悪いの見てんのも
やなんだよ。』

美姫『…わかった。寝てる。』

拓真『ん、えらいえらい。
俺は傍にいるから。』

しゃがみ美姫と同じ目線にする。

美姫『ありがと。
でも帰っていいよ?』

こんな時でも人の心配か。

拓真『大丈夫だよ。
美姫が寝るまではいるから。』



しばらくすると美姫は寝てしまった。

おでこに手をやると

やっぱあっちいじゃん。

無茶しすぎなんだよ。

そういえば…

ここの合鍵自由に使っていいって

言ってたけど…

あった!

よしこれで大丈夫だな。

美姫の寝顔をもう一度見て

俺は美姫の家をあとにした。

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