星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~


~拓真 side ~

テスト二日目の今日。

いつもどうり美姫を迎えに行く。

やっぱまだ体調悪そうだな。

また無理して笑ってるし。

俺の前ではそんな顔すんなよ。

辛いなら辛いって

大変なら大変って言えよ。

昔からお前の無理して笑うのを見ると

泣いているように見えてしまう。




今日、学校は半日で終わる。

学校終わったら病院連れてくか。

3時間目が終わり残りは

体育の実技のみ。

美姫は受けないし大丈夫だろ。

そんなことを考え

着替えて教室を出ようとした

その時



バタッ


ん?今の音なに?


音のした方…


後ろを振り返ると…


誰か倒れてる?



…美姫!?


拓真『美姫っ!!
おい!美姫!しっかりしろよ!なぁ!?』

頭から血の気がひいていくのを感じ

美姫の傍へ行き声をかける。

美姫『……………。』

返事はない。

まじかよ。

てか……

拓真『……あっつ………!』

おでこに手をあてると

熱い。昨日よりも。

だから無理すんなって言ってんのに…

とりあえず…

拓真『柊!俺、美姫保健室連れてくから!
授業遅れる!!』

柊『りょーかい。うまく言っとくから安心
して行ってこい。
………美姫のこと頼んだぞ。』

拓真『サンキューな!』

柊に頼み

美姫を抱き抱えて

保健室まで夢中で走った。



ガラガラガラッ!!


拓真『はぁ・・・紺野!美姫が!!』

蒼『五十嵐?呼び捨てかよ。
って……え、美姫!?』

拓真『倒れたんだよ。
熱もある。…病院連れてったほうが…』

美姫のことを説明すると


蒼『……わかった。病院連れてくか。
…五十嵐。ありがとな。
授業に戻っていいぞ。』

そんなこと言われても

美姫をほったらかして授業なんか…

拓真『俺も行きます。行かせて下さい。』

蒼『ダメだ。お前は授業。
美姫のことはちゃんと病院つれてくし。
大丈夫だから俺に任せてくれよ。なっ?』

正直納得できねぇ。

でも…

俺が行っても何もできないし

俺よりアイツがいた方が

美姫は喜ぶんだろうな…。

拓真『…わかりました。
美姫の主治医俺の親父なんで連絡しときます。』

蒼『あぁありがとな。』


美姫を紺野に任せ


俺は保健室をあとにした。

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