星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~拓真 side ~

みんなで美姫のお見舞いに行くと


美姫の目が腫れてる。

どうしたんだ?

泣いたのか…?

詩織たちも気づいたのか理由を聞いたけど

「目がかゆかった。」

美姫はそう言ったけど

そんなわけねぇだろ。

そんなの嘘だって俺じゃなくてもわかる。

そこで詩織が話を変えてテストの話をした。

すると

なんか美姫の様子が変…?

表情が曇ってる。

ぎこちない笑顔。

また無理して笑ってる。

………ん?

なんか…目が潤んでる?

柊もそれに気づいたのか

気をきかせて詩織と夏妃を連れ

部屋を出て行ってくれた。


聞いてみるか。

拓真『……なんかあった?』

美姫『え?なにもないけど?』

隠そうとする。、

それなら………

拓真『目。腫れてる。』

美姫に近づき目をみつめる。

美姫『さっき言ったでしょ?
かゆくてかいちゃったの。』

かゆくてそんなになるわけねぇだろ。

拓真『ふーん…すごいかゆかったんだな。』

美姫『そ、そうだよ!
ものすごーくかゆかったの!』

ムキになって言う美姫。

ふーん……なら…

拓真『そんなにかゆいなら親父呼ぶ?』

これでどーだ。

美姫は「うっ…」みたいな表情をする。

顔にでるからすぐわかるんだよな〜。

拓真『だってすごーくかゆいんだろ?』

俺も意地悪く言う。

………そろそろいいかな。

拓真『………でほんとは?』

美姫『別に?』

まだ言わないのかよ。

しょうがないな。

拓真『美姫さん?
俺…将来の主治医なんですけど?
主治医にはちゃんと言わないとダメだろ?』

また困った顔をして

美姫『病気関係ないから。』

それはわかってた。

かゆいだけであんなになるわけないからな。

拓真『………じゃあなに?』

美姫『ちょっと嫌なことあっただけ。』

その嫌なことがなんなのかすごい気になる。

けど……

言いたくないみたいだし

無理に言わせるのも嫌だから

それ以上は聞かなかった。

それから詩織たちが来て

美姫の誕生日を祝って全員で写真撮って

帰った。

最後らへんはいつもの美姫にもどってよかった。


でも……

なにがあったんだ?

テストの話してから様子が変だった。

今回の美姫の点数はよかった。

数学も英語も平均点以上だった。

保健は学年トップ………


保健…


紺野の教科。


なんかあるのか……?


もしかして…。




そんなに泣くのになんでアイツがいいんだよ。

アイツを好きでいても辛いだけだろ?

なんでだよ。

……なぁ…美姫?

紺野じゃないとダメなのか?


俺じゃダメなのか?


俺は紺野よりももっと前からお前の傍にいた。

紺野よりもお前のこと知ってる。

アイツよりももっと…

もっと美姫を大事にする。


美姫を絶対に泣かせない。

だからさ……

俺じゃダメなのか?


美姫のあの幸せそうな笑顔が

俺に向けられる日が来る日まで

俺はずっと美姫を想ってるよ。

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