多重人格者【完結】

「ごめん」

「……謝らないで」

「それでも、ごめん」

「大丈夫、大丈夫だから」

「うん」

「心君」

「うん」


名前を呼んでも、その顔は険しいままだ。
後悔なんてして欲しくない。


「心君、私は怒ってない。責めるつもりもないよ。
私は心君が今、隣にいて、こうして話してくれるのが嬉しいんだよ。
だから、もう謝らないで」



心君はハッとした顔で、私を見つめる。



「……うん、もう言わない。守れるかわからないって、最初に言ったのは俺だもんな」

「そうだよ、心君」

「だな。……やっぱあやめがいた方が、俺冷静だ」


私の両頬に手を当てると、コツンと額を自分の額を合わせた。
それに、ドキっと心臓が跳ねる。
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