サクラと密月
しばらく走ると明かりの少ない公園に出た。
車を降りて彼の後ろをあるく。
音もなく静かだ。海の匂いがした。
駐車場を囲んでいる茂みを抜けると、真っ黒い闇が見えた。海だ。
その向こうに対岸の明かりが並んでいる。
聞きなれない船の音。
遠くに船の明かりも見えた。
「わあ、すごい。」
建物のなにもない、世界がそこにあった。
「うん、来て正解。」
彼がそう言った。
大きな公園だった。運動公園らしく、たまにランニングをする人とすれ違う。
「あっち行ってみましょうか。」
そう言われて彼の後ろをまた歩く。
二人の影が街灯の下を通るたび、前に伸びたり後ろに伸びたりした。
両側を生垣で挟まれた道を二人で歩く。
しばらく行くと大きな広場にでた。
子供の頃遊んだ様な、懐かしい遊具が、離れて所々に置いてある。
海の見える場所を見つけて二人で座った。
コンビニで買った食べ物をつまんだ。