恋色 ~ハツコイ
昼休み。
私は南に呼ばれた。
廊下で南が
「で、昨日の誰?」
と聞いてきたので
「ブレザー来てない人...。」
と言った瞬間に南は教室を見回した。
そして、見つけたのか
飛び跳ねて私のところへ突進してきた。
「もしかして、隆弥??」
と私の耳元で言った。
私は黙ってうなずくと南は興奮したのか
「きゃあ~!頑張ってね!!!
隆弥はけっこうモテるからアタックしないと
ヤバイかもよ?応援してるから!!」
と言ってクラスに戻って行った。
確かによく考えれば隆弥は女子に人気がある。
話しかけやすいのか、優しいのか
私の勝手な妄想では
私含め約5人には好かれているだろう。
席に戻ると隆弥は私の前の
先生の椅子に座って座席表を見ていた。
すると隆弥が
「なぁ、これって川瀬...なんて言うの?
名前のほー。」
「川瀬 萌絵だよ。」
「そーやって読むんだ。萌絵か。」
ドキッ...。
名前を呼ばれると心臓の音が激しくなる。
だが、隆弥は名前を呼ぶのに違和感を
感じたのかすぐに「川瀬」に戻ってしまった。