許さないからね!
「人がきちゃうよ…。真人」



小さめの声で喋っても、声が響く階段室。


「知らない」



言いながら、真人は私の唇を奪ってきた。


わざとらしく、チュッと音を立てて。


一旦、唇を離して、彼はにやっと笑った。


「何、するのよ。」


ドキドキし過ぎて、これだけしか言葉が出ない。



「何って?自分の大事なオンナにキスをしたんだけど?」


鼻先が触れあいそうな距離で、更にドキドキが加速しそうな事を、私の好きな声で囁かれる。




何も言えずに、彼を見つめていると


「そんな目で見るなよ。もっとしたくなるから」


そう言いながら、私の唇を奪った。



唇を甘噛みされ、その刺激に少し口が開いた所に、すかさず舌が侵入して、私の中でうごめく。


後頭部と背中に、扉の冷たい感覚が伝わるけど、もう、それだけじゃ、私の冷静さを取り戻せない。




舌を絡め合うリップ音が、静かな階段室に響く。




自力じゃ立っていられなくて、思わず真人のスーツを握りしめる。


真人の右手は壁、左手は私の顎のままなのが、悔しい。
私だけ蕩けそうなの?



やっと離れた唇。



「…機嫌、直った?」

ボーッとしている私に、優しく微笑んで聞いてくる。



「今日、俺んちで、続きする?」


色っぽい眼差しを向けられる。


「…許さないからね…。」




一言、呟いて、握り締めてたスーツをこっちに引っ張りながら、背伸びして私からキスをした。




真人もこれは予想外だったらしく、驚いた顔を見せた。






「私と続きがしたいなら、真人が来たらいいでしょ?」


そう言うと、吹き出した真人。





「参りました。ごめんなさい」


そう言って、またキスをしてくれた。


「…許してあげる」


そう言い返して、舌を絡めた。






end
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

あなたまでの距離
auco/著

総文字数/16,504

恋愛(その他)48ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
やっと会えたね。 昔と変わってないね 私を見つめる瞳 抱き締める腕 口唇… やっぱり、好きです。 皆、ちゃんと愛してる人と結婚してるの? 忘れられない人とか、いないの? 12年前に好きになった時には、あの人は既に誰かのものでした。 そして、私はあの人以外の人と結婚しました。
【短編】衝動
auco/著

総文字数/2,766

恋愛(その他)16ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
短編です ちょっと大人な感じにチャレンジしてみました
恋の涙、愛の傷
auco/著

総文字数/22,476

恋愛(その他)86ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
カナ、28歳。独身。 幸せになりたい。そう思うが カナの心には5年前の恋が未だに忘れられずにいた

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop