「私は貴方のモノ」【完結】
タエをぎゅうっと強く抱き締める。
拒絶する事なく、だけど、腕を回す事もないタエはただじっと俺に抱かれていた。
わかってる。
これが嫉妬だって事も。
もう、自分の気持ちを誤魔化さない。
タエが俺の側で笑わなくたっていい。
俺を好きだって言わなくてもいい。
だけど、俺のモノでいてくれ。
出来る事なら一生。
タエを独りにしたらどこかへ逃げてしまうんじゃないか。
そう、思ってしまう俺は女一つでここまで弱くなれるのかと心の中で苦笑した。
家に到着して、タエの腕を掴みながら部屋に入る。
久しぶりの、家。
「……タエ、隣座れ」
素直に俺の横に座るタエを、そっと押し倒す。
こんな事、したくない。
だけど、タエに俺の事だけを考えて貰いたかった。
「…抱くぞ?」
そう言ってみたものの、タエの気持ちは関係ない。
「まあ、嫌だって言われても抱くけど」
タエが俺で染まるのなら、タエがどう思おうがどうでもいいんだ。
ソファからベッドに移動した俺は、タエの上に覆い被さる。