「私は貴方のモノ」【完結】


「…アキラ、わかった?ア・キ・ラ」


分かりやすく、一文字ずつハッキリ教えてやると、おずおずとタエは呟く。


「……アキラ」


やれば出来るじゃん。
アキラ。いいね、それ。


「よし。イイコだ」


まるでペットをあやす様に、俺はタエの頭を撫でた。
今のタエの態度に満足したからだ。


ペットはこうやって、ご主人様のご機嫌取ってたらいいんだよ。


反抗するとか、許されないからな。



すぐに運ばれて来たオレンジシャーベット。
タエはゆっくりスプーンを手にすると、それを一口掬って頬張る。


あっという間に食べ終えたタエ。
スプーンを置くのを確認すると、すぐに伝票を持ち立ち上がった。


あれで満足なのかは知らねえけど。
とりあえずは満足なんだろうな。


また食わすけど。
素直に食ってくれたらいいが。


そんな事を考えながら会計を済ます。
自棄に甲高い女の店員の声が鼻についた。
< 40 / 219 >

この作品をシェア

pagetop