「私は貴方のモノ」【完結】

ぐいっとタエの腕を引っ張って、抱き締める。
あったけえ。
このまま、また眠れそうだ。


瞼を閉じかけた時だ。


「は、離して」

「何で」

「……お酒臭いからっ」

「………」



お酒、臭いだと?
このまま抱き締めたまま、もう一眠りしようと思ってたけど。


……やめた。



嫌だって言うまで抱いてやる。



タエはしまったって顔をしていて、俺が眉間に皺を寄せるとぎゅっと目を瞑った。


ふ。それはキスしろって合図?


顎を上げて、キスをした。
無理矢理、舌を捻じ込むと口内を犯して行く。


時折漏れる俺とタエの吐息。


解放した時にタエの顔は真っ赤で、それにゆるりと口角が上がって行く。


潤んだ瞳で、恨めしい目線を向けて来る。


……その瞳。
それが扇情的にさせる。



「俺に盾突くとか、生意気」

< 71 / 219 >

この作品をシェア

pagetop