俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
俺と女は、同時にぷっと噴き出した。



「ダメな大人の代表だな!」


「そうね、生徒には見せらんないわ!」



ーーセイト?

女のセリフに引っかかりを感じ、俺は動きを止めた。


その意味を理解して、思わず目を剥く。



「はっ!?

なに、お前まさか、教師なの!?」



「なによ〜、悪い〜?」



女は唇を尖らせた。



「似合わん!

てかダメだろこんな先生!」



「いいじゃない………。

教師だって、酔い潰れたい時くらいあんのよ…………」



そう言って女は俯いた。


その顔があまりに淋しそうで。



俺は思わずーー抱きしめていた。



「………なによいきなり」



「いや、濡れて寒いかなと………」



「濡らしたの、あんただけどね」



女はおかしそうにくくっと笑った。




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