my sweet devil


あっちゃんには見られたくなかったのにな。


こんな嫉妬の涙なんて



「なんで……?」



涙でぼやけた視界の中に、あっちゃんを映すと


あっちゃんは今にも泣き出しそうな、苦しそうな顔をしていた。



私の腕を掴むあっちゃんの手の力が少し、強くなった気がする。



「あの男に何かされた…?」


「え……?」


あの男って、誰のこと……?



「体育の時に、楽しそうに喋ってたじゃん」


体育って……、杉浦くんのこと、かな?


ってあっちゃん。もしかして見てたの……?



「杉浦くんとは何もないよ?」


「ほんとに?」


「うん!」


「じゃぁ、なんで泣いてた?」


うっ……


『あっちゃんと仲いい岡田さんに嫉妬してました』


なんて、言えるわけないし……


んー……


あ!!


「て、テスト!もうすぐテストじゃない?それが嫌で、泣いてたの!」


って、こんな嘘あっちゃんに通じるわけないよね……



シュンと肩を落とした時


「そんなに嫌なら一緒に勉強する?」


そんな、優しい声が聞こえたんだ。


「え……?」


「もしかしたら、俺が教えられるかも知れないし」


う、嘘!


あっちゃんと一緒に勉強?!


そんなの、幸せすぎる……!



ブンブンと首を縦に振ると、あっちゃんは優しく微笑んで頭を撫でてくれたんだ……



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