my sweet devil
「ほんとに、素直ないい子ちゃんだな」
亮太郎くんは、笑って私の頭をわしゃわしゃ撫でた。
「……ごめんね」
好きになれなくて。
あっちゃんしか見えなくて
本当にごめんね。
ていうか……
「岡田さん、私の気持ち知ってるの?!」
思わず立ち上がる。
『義弟』が好きなんて知られたら……
「だって芽依ちゃん、わかりやすすぎ。」
「う、嘘……」
「それにアイツも」
「え……?」
『アイツ』ってもしかして
あっちゃんのこと?
「あんなあからさまに敵意剥き出しにされたら、どんなに鈍感な奴でも気付くよ。……ま、例外もいるけど」
れ、例外って……
「もしかして、私のこと?!」
「うん。バカほど鈍感」
「ば、バカってヒドイよ…!」
「ハハハ。可愛いって」
「か…!そんなの信じられないー!!」
「……元気になったな」
穏やかな笑顔で、私を見つめる亮太郎くん
頭の上に置かれた、大きな手
どうしてこんなに素敵な人を、私は好きになれないんだろう?
……世界中の誰よりも、愛しい人がいるから。
亮太郎くん
私、自分の気持ちに正直になることを誓うよ。
自分のために
あなたのために
どんなに辛い恋でも
心の向かう方向に
進むことにするよ……
*