NA・NA・MI

「帰ってよ…」



今のアタシはアンタと闘う気力さえないんだ。



「昨日は又派手にやらかしたみたいね」



菜実は嬉しそうに笑った。



「何の事…?」



アタシはとぼけた。

菜実が昨日のアタシと洋介との出来事を、知っているはずがない…。



「中田洋介。昨日アンタが駅で怒鳴ってたの、見てた子がいるのよ」


「……」


「あの男、いっぱい女がいるの。知らなかったの?有名な話なのに」


「帰れ…」


「アンタのレベルじゃ手に負えないわね。自分をよく知った方がいいわよ?」


「うるさい!帰れよ!!」


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