王様の告白
 何もしなくても、しょっちゅう女性に声をかけられ、逆ナンにあうのに。

 ことごとく、女性の誘いを断る理由が、拓也を好きだったから、なんて認めない。

 女の扱いに今一つ真剣身に欠けるのも。

 たった一度だけ抱かれた時の、拓也のソレが、死ぬほど良かったからなんて。

 それこそ、絶対に、認めない……!

 いつから拓也を好きになったか、なんて判らない。

 ただ、かなうはずの無い、恋だった。

 拓也が、男なんて顧みないことだって、知っていた。

 彼が女性と恋に落ちるのも、当たり前だと思ったし。

 結婚式では、心から祝福したのに。

 今回だって、拓也が幸せになれればいいと本気で願ったのに。

 俺は、ただ、拓也の側にいて、仕事が出来さえすれば、それで満足だったのに。

 王さまに仕える下僕で良かったのに。

「今更、何を言うんです……」

 俺のために『壁ドン』の練習までしてくれるなんて……

 涙が、出そうになる。

「最初から、私はあなたのモノ、だったんですよ」

 涙が、出た。

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