ダンナ様を妬かせる方法

「ホントそうですね。杉田課長はモテますから」

ちなみに、『杉田』は祐一の名字でもあり、わたしの新姓でもある。

だけどわたしは仕事の便宜上、旧姓の『久保田』を今でも使っていた。

「余裕だな、久保田。妬かないのか？」

「まさか。わたしたちは夫婦ですから。今さら、社内でモテるっていうだけで、ヤキモチなんて妬きません」

「へぇ。たいしたもんだな」

と言って、課長はデスクを離れた。

どうやら、わたしにヤキモチを妬いていると認めさせたいらしい。

もちろん、本音はそう。

だけど、それを口にするわけにはいかない。

だって、祐一と課長は同期で、何を話されるか分かったものじゃないから。

とはいっても、本当にどうにかならないかな……。

あの意味不明な群がりは。