愛とか恋とか嫁だとか。
寝室では、咲子が手足を思いっきり伸ばしてすやすやと眠っていて。


その身体に、はねのけられたタオルケットと薄い布団を掛ける。


6月の深夜はまだ少し肌寒い。


そして


あたしの心はもっと寒い。



何を期待していたんだろう。


かわいい下着とか……本当にバカみたい。


こんなに航平との間に距離があるとは思わなかった。


完全に邪魔者扱いをされて。


あたしたち、夫婦なのに。



確かに咲子が産まれてからあたしの意識はそっちに向いていたけれど。


それでも航平と二人で咲子の寝顔をかわいいねって見たりして。


ついこの間だって、若菜といずみちゃんと会う間、預かってくれたりして。


……あ、そうか。
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