【お題創作SS】1日1章
廃墟の中に迫り来る足音。

疲れてきている自分を嘲笑うが如く、だんだんと近づいてきている。

何かに躓き、その場に顔面から転んだ。

躓いたモノを見ると、そこには『手』。

そして、その先には、こちらに顔を向けている、顔面蒼白の生首。

「ひっ………」

まだ、心に余裕があるのだろうか。

逃げようと、彼は足をうごかす。

目に涙を溜めたまま、逃げようと腰を浮かした時、何者かが彼の足首を掴む。

先程躓いた手だ。

「あ…………」

足音が、止まった。

彼 の 真 後 ろ で 。

そして、の記憶は、首に冷たい『何か』が当たった瞬間だった。
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