鈴が咲く【前編】

決着=?

咲がいない放課後、

教室―――

男子side

「なぁなぁ~
咲希ちゃんは~?」

椅子に張りついたようにして
聞く光輝。

「先生に呼ばれてったけど?」

本から目線を上げずに
龍也が答えた。

「え~...
つまんな~...」

「おい...
てか、光輝
なんかイラついてんの?」

「別に~...
俺、ほんとはこっちだし...」

「ならさ、
もう咲の前でも
それでいいじゃん?」

翔太が呆れたように
提案する

「え~...
なんかやだ...」

「でも、咲は...」

「え!?
何、何!?
咲希ちゃん、
俺のことなんか言ってた?」

ガバッと椅子から起きあがり、

翔太に詰め寄った。

「近けーよ...
...言うのなんか癪だから
やっぱいわねー...」

「え~
なんだよ!
教えてくれたっていいじゃん」

「なんか負けた気がするからいやだ」

「翔~
教えたれよ...
俺も気になるし...」

康平が話に入ってくる。

「うっせーな...
やだよ」

「えー!!
教えてよ!!」

「焦らすなや、翔!」
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