鈴が咲く【前編】
「っ...
わーったよ!!
うっせ―から黙れ!」

顔をしかめて

軽く怒鳴る翔太。

「やった!」

「....咲が前俺に、
『遠山君って、
見た目かわいいキャラだけど、
ほんとは、かっこよくて優しいんだね!』
ってさ。
ちょうど、
咲が追っかけまわされてた
初日だったからそのことじゃねーの!」

苛立ったようにそう言って
顔をそむける翔太。

「ほんとっ!?」

少し固まっていた光輝が、
顔を赤くしながら嬉しそうに問いただす。



「こんなことで嘘ついて
どうすんだよ...」

「だって...」

いつものように
言いあいが始まるかと思い康平が
二人に近寄ろうとした。








「...斎藤圭吾。」
サイトウ ケイゴ

「「「!?」」」

「男どもに追いかけられていたのに
その日から追いかけられず、
いつも護衛しているメンバーもそろわずに
囮の不審者まで入れて
護衛がいなくなったところで
咲希を狙い怪我を負わせた。」





相変わらず本から顔を上げずに、
スラスラと言葉を発していく龍也。
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