素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
初プロジェクト!
「夏香!!
この色なんてどうだ?」

「どれ?
……うん、いいかも!!」




今は商品開発の真っ最中。
大樹と2人で白衣を着ながら多種多様の口紅と格闘中だ。
化粧品を作るのは大変だけど……やっぱり楽しいと思う。


しかも私が企画した奴だし!!
テンション高めな私に対して大樹は少し疲れた顔をしている。


それもそのはず……。
流石に3時間続けて開発室に籠るのはまずかったかな?



「大樹、少し休憩してきていいよ!」

「いや、大丈夫だ」



ニカッと笑顔を向けてくれるけどその裏には疲れが見える。


私は大樹の手から資料と口紅を没収する。
驚いたように目を丸くしながら私を見つめてくる大樹。




「だーめ。無理しないの」

「……分かったよ。って言うか夏香も休憩しろよ!」

「私は大丈夫だもん」




化粧品を作れる事が嬉しくて疲れなんて全く感じない。
むしろずっとやっていたいくらいだよ!



「はぁ……。本当に夏香は仕事バカだよな……」

「ふふっ。最高の褒め言葉ね」

「ハァ……じゃあ俺、休憩行ってくるわ。
佐藤せんぱい呼んでくるな」

「お願いね。行ってらっしゃい」



タメ息と共に大樹は開発室を出て行った。


< 43 / 374 >

この作品をシェア

pagetop