素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
負けたくない
「……おはようございます、橘部長」

「おはよう」




休日も終わり今日からまた1週間が始まる。
月曜日の朝は辛いな……なんて呑気に考えながら電車に乗れば橘部長の姿が目にはいる。



もう見慣れたこの光景に驚く事はなく橘部長の隣に立つ。
毎朝同じ電車の為、自然と一緒に会社に行くことになっていった。


まぁ……特に会話はないけど。
しばらく黙ったまま外の景色を見ていれば電車が急にガタンっと止まる。




「きゃっ……」




ボーっとしてたせいか私の体は後ろに倒れそうになる。




「大丈夫か?」

「……あっ……はい……」




急に低い声が近くで聞こえたと思ったら私は橘部長の胸に寄り掛かっていた。
橘部長は私を受け止めるように抱きとめてくれていた。




「すみません!!」

「いや、気にするな」




そっと腕が離され私は吊革につかまる。
び……ビックリした……。
橘部長にまた助けて貰っちゃった……。


恥ずかしい気持ちと申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになる。


……何か顔熱いし……。
橘部長の体って細いのに……意外にガッシリしていて逞しかった。
……って私なに考えてるんだろう!!


熱を帯びた顔を冷ますように手で扇ぎながら心を落ち着かせる。
なんか……ドキドキする……。


まだ驚いているのかな……。



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