また、きみの隣で
「…しっ、失礼します…っ」
コップを持って席を立つ。
返却口にコップを戻して出ようと思ったら、まだ少しココアが残っている事に気づいた。
あたしはどうしてか泣きそうになりながら、それを無理やり口に含んだ。
さっきよりも少しぬるくなったココアが、喉を通った。
リンじゃない。
わかってる。
リンじゃない。
わかってる…。
走ったら、余計苦しくなった。
心臓がざわついて落ち着かない。
どうしようもなく、苦しい。くるしい。
…リンじゃない。
…わかってる。
わかってるってば……。