また、きみの隣で
次の土曜の講義終了後。
「千歳ー、行こっ」
「うん!」
いつもの様に朱理と学食に向かう。今日はなにを食べよう。
今日の学食はいつもの土曜の平均的な混み具合で、席もところどころ空いている。
あたしは冷やしきつねうどん、朱理は冷麺を注文し、いつもと同じ様に雑談をしながら食べる。
「朱理、今日は大丈夫なの? 予定は?」
「え、ないない。大丈夫」
お互い食べ終え、お皿を戻してからまた席につく。
「じゃあ、あたしアイスティー買ってこようかな。朱理は…」
「あ…! この前の」
「っ!」
“どうする?”と言葉を発する前に、肩がびくりと上がった。
立ち上がったあたしの背中に聴こえたーーーリンの、声…。