永遠の果て
 自分の中の記憶を解放しながら、いつの間にか学校の近くの公園まで来ていた。

 直樹と、何回この公園を歩いただろう。
 何回キスを交わしただろう。
 どれだけドキドキを感じただろう。

 涙が出るほど嬉しくて、悲しくて、切なくて、苦しくて、全てが、ここに詰まっていた。

 高校生の頃、明日は当たり前に来るのだと思っていた。当然の如く隣には直樹がいて、太田がいて、涙が出るほど笑ったり、日が暮れるまで思い悩んだりしながら、見えない何かを信じて、日々を過ごしていた。

 どうしてもっと毎日に感謝して過ごせなかったのだろう。きっと後悔先に立たずという言葉は、こういうときにあるのだ。

 ゆっくり公園を歩いていくと、ブランコにジャージ姿の女の子が座っていた。高校の部活帰りだろうか、近づくにつれ、その輪郭がはっきりしていく。


「結衣ちゃん?」
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