永遠の果て

 電車が目的の駅に着く頃には、空はうっすら朱に染まり始めていた。

 日曜日のこの時間なら、まだ部活があるはず。
 と言っても、家を知らないのだから、直樹に会うためには、どちらにせよ、学校へ向かうしかない。

 改めてこの道を通ると、所々に直樹と過ごした日々が散らばっている。

 毎日手を繋いで歩いた道。帰りたくなくて、夜遅くまで寄り添っていた駐車場、夏の日に、部活帰りに二人で食べたかき氷。喧嘩して、無言で並ぶブランコ。



 その記憶を、一つ一つ思い出に変える。前までは頑なに拒否していたものが、いとも容易く形を変えていく。

 何が私の中の迷いをかき消したのかわからない。けれど、記憶を辿るたびに、錆びた鎖が少しずつゆるんでいくような気がした。
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