好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「それでね……」

「そうなんだ」

いつもふたりでよく来るファミレスでご飯を食べながら、俊と会話する。俊は結構無口だから、私が話すことが多い。でも、私は喋ることが大好きだし、俊はいつも、うんうんってうなずきながら私の話をちゃんと聞いてくれるから、それを不満に思ったことはない。


……だけど、ひとつだけ。ひとつだけ、不満というか、心配していることがある。それは。


「ねえ……、俊、最近は、その、どうなの?」

「どうって?」

フォークに巻いたパスタを口に運びながら、俊は聞き返す。


「だからその……就職活動、のこととか」
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