好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「…そっか」

俊は眉毛を下げて、やや俯いて。
でも、どこか予想通りだったようで――凄く落ち着いてた。

前にヨリを戻そうって言ってきた時と、全然違った。


「ごめんね。私は、今の彼氏のことが大好きだから」

「うん。そうだよな」

「でも、そう言ってもらえて凄く嬉しかったよ」

この前の時は、俊が凄く強引で、態度も悪くて、全然良い気分がしなかったけど、今日は嬉しかった。それは本当だ。


だから、ありがとう、って。素直に思う。



「…うん。分かった」

俊は、優しく小さく笑いながらそう答えた。
やっぱり、どこか大人になってると思った。



「でもさ、フラれたけど、もう少し一緒にいてもいいだろ? いや、下心はないよ。
何か飯も食べたいし、色々話そーぜ」

「うん」


恋人としての別れ自体は最悪だったけど、でもこうしてちゃんと仲直りが出来て良かった。

俊のことが大好きだった時間は紛れもなく本物だし、私の青春であり、宝物だ。
そんな大切な思い出を真っ黒に染めたままじゃ嫌だった。


二人きりで会うのは今日が最後かもしれないけど、俊のことを大切に思う気持ちは、きっとこれからはずっと変わらないだろう。
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