好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
「ただいまー」

家に帰ると、お母さんが「あ、お帰りぃー」とのんびりした口調で返す。……夕べはかなり酔っていたにもかかわらず、今朝携帯を確認すると、私はお母さんに『今日は友だちの家に泊まります』というメールをしっかりと送っていた。とくに怪しんでもないみたいだし、私は安心して階段を上がり、自分の部屋に入る。


ボフッと、ベッドにダイブする。いろんな出来事が一気に頭の中を駆け巡る。俊にフラれた。超泣いた。超飲んだ。課長とホテルに行った。……それなりに熱い夜を過ごしてしまった気がする。


「んあー!!」

ダメだ、課長とのことは忘れなきゃ! 忘れろ、忘れろ章子!!
< 43 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop