好きじゃないならキスするな!…好きならもっとキスをして。
課長は驚いたような顔で、体もこっちに向けた。私は続ける。

「お互い酔ってたわけですし、あ、なんかちょっと思い出してきた、確か、誘ったの私だった気がする」

「……でも、その誘いに乗ったのは俺だし」

「じゃあ合意のもと、ってことでいいじゃないですか、うん」

ていうかもうほんと、むしろそういうことにしてください。気を遣われるのもつらいわ。


「……モモがそれでいいのなら」

若干ふに落ちない様子ではあったけど、課長もそう言ってくれた。


その後、私たちは交代でシャワーを浴び、着替え、なるべく早くホテルを出た。今日が土曜日でほんとによかった。まさかふたり揃って昨日と同じ服で出勤するわけにはいかない。


私たちは駅まで着くと、そこからは乗る電車が逆方面なので、
「じゃ」
と短い挨拶をして、それぞれ帰路についた。
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