【短】年下の彼に壁ドンされました。



「変な話するよねー、あいつも」


「そうですね」



クスクス笑いあいながら、廊下を歩く。


彼は私の3つ年下で、半年ほど前から私たちは付き合っている。


だけど、プライベートでも彼は未だ基本的には敬語で、名前は呼んでくれても社内ではもっぱら〝先輩〟呼びだ。



「先輩もやっぱり壁ドンとか憧れます?」


「そうだなー」



でも、壁ドンなんて女子が好きそうなシチュエーションだ。


それはあまり興味ない私も例外じゃないし、好きな人にされて嫌、ということはない。



「されたらドキドキはするんじゃないかな?」


「へぇ」


「まぁでも、私たちは無理だよね」



そう言った私に、彼はキョトンと首を傾げる。


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