年上のあなた、年下のきみ


「い、いいわけないでしょ……!バカ」


小さな“バカ”が可愛らしくて、思わずクスッと笑みをこぼすと、先輩と繋がった方の手にキュッと力を込めた。


「……言っておくけど、私は一つでも年が下の子は恋愛対象外なの。対象になることは絶対にないの。何が何でもないの。ありえないの!」


ムキになったように言い募る先輩には、さっきまでの余裕が微塵も残っていない。

それがまた可愛らしいが、これ以上笑ったら本気で怒鳴られそうなので、何とか笑顔で頷くにとどめる。


「それでもいいですよ。他の年下はみんな対象外でも、ぼくだけは、例外になってみせますから」


そう、いつかきっと……ぼくの想い、あなたの心に届けてみせるから。
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