悪縁男子！～心ごとアイツに奪われて～

◇*°大人しくここにいろ

その日の放課後、家に帰る前に寄り道して、小学生の頃よく来ていた公園のベンチにぼんやり座っていた。

夕焼け空の下、何人かの小学生が遊んでいるのを眺めるあたしの傍らにあるのは、泥だらけになった上履き。


教室の日が当たる所に置いておいたら、あたしが少し目を離した隙に窓から捨てられていたのだ。

見事に雨上がり後のぬかるんだ地面に落とされていて、これは洗わなきゃダメだと持って帰ってきたというわけ。

あのまま置いておいても、また変なことされそうだしね……。


「はぁー、やだなぁ……」


膝の上におでこがつきそうなくらい、うなだれるあたし。

皆から無視されるとか、派手に落書きされるとか、そういうイジメじゃないからたいしたことはないけど、それでも嫌なものは嫌だ。

上履き洗うのだって面倒臭いのにー……まったく！

こんな陰険なことしないで、文句あるならリカみたいに面と向かって嫌味の一つでも言ってこいっつーのよ！


色々考えていたらものすごく腹が立ってきて、バッと勢い良く顔を上げた、その時。