悪縁男子!~心ごとアイツに奪われて~

迎えた7月第ニ週の土曜日。

暑い日差しの下、あたしは亜美とリカを連れて御坂高校にやってきた。

門を抜けると、いろんな衣装やTシャツに身を包んだ人達や、中学生くらいの子達もいて、普段とは違う活気に満ちている。


「うわーすごい賑やか!」

「私達の学園祭とはやっぱり違うわね」


実行委員らしき人に配られたパンフレットやうちわを手に、あたし達は興味津々。

校舎の中に入ると、あたしが描いたフライヤーが所々に貼られていて、恥ずかしかったけどそれ以上に嬉しかった。


とりあえず端から回り、喫茶店や出店で軽食を食べながらライブの時間になるのを待つ。


「今頃リハーサルとかやってるのかなぁ」

「ひよりが気になるのは、ライブよりその後のことじゃないの?」

「う……」


チュロスをかじりながら、縮こまるあたしを見てニヤリと口角を上げるリカ達。

ライブの後はユアフールの皆と少し会うことになっていて、そこで二人きりになれたら、柳に告白しようと目論んでいる。

リカの言う通り、そっちのことばかり気になっちゃって、朝からずっとそわそわしっぱなしなのは否めない。

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