【壁ドン企画】騒がしい同期を黙らせる方法



…なんか、可愛い。


いつものうるさい片倉が嘘みたいに
静かだ。




「…伊織ちゃんが煽ったんだからね。」

「え?」


「…もう無理。

そんなことされたら、
そんな可愛い顔見せられたら、

なにがなんでも絶対、俺のものにする。



もう、嫌だって言ったって、
絶対離してやらないから。」



そう言って片倉は、
壊れ物を扱うみたいに、ふわっと私を
抱き締めた。



…なるほどね、
今の言葉はちょっときゅんときちゃったかも。



…でもね、言ったでしょ?



やられたらやり返すの。




「嫌だなんて言わないわよ。


そっちこそ、
私だけ、ずっと見ててよ、ね?」




出せる限りの甘い声で、
片倉の耳元でそう言ってやった。




「…あー、もう。

俺、伊織ちゃんには一生勝てない気がする。」







…朝の8時30分過ぎのほこりっぽい資料室。




騒がしくて大嫌いな同期が、
かっこよくて、大好きな彼氏に
昇格した瞬間。










Fin*







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