真夜中のパレード


そうこう悩んでいる間に、
あっという間に火曜日が来てしまった。


透子は空港で上条のことを待っていた。


事前に渡されたスケジュールを眺めつつ、
溜め息をつく。


今回の仕事内容は機器の設置だけれど、
今日の夜、そして明日の昼にもやることあるので
一泊して会社に戻る。

つまり、明日の夕方までは上条とずっと一緒に
行動することになる。


透子は想像しただけで
眉がくたっと情けなくと下がりそうだった。


そんなことを考えていると、
いつものようにかちりとスーツを着こなした
上条がやって来た。


「じゃあ行くか」

「はい」


今日の仕事先は岡山にある。
二時間くらいの空の旅だ。


透子と上条は機内に入り、座席を探す。


「えっと……ここですね」


チケットに書かれた席は、並びで二つだった。


上条が手配した物だったけれど、
狭い場所に隣同士というのがまた気まずい感じだ。


自分が用意すればよかった、と少し後悔する。


「上条さん、窓際に座りますか?」

「いや、いいよ通路側で」

「はい」

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