真夜中のパレード

七瀬はこれで、終わりにしたいのだろうか。



もう、自分のことは忘れてしまいたいのだろうか。


そう考えると、
彼女ともう一度話そうという勇気はあっけなく萎んでいった。



たくさん傷つける言葉を言った。

彼女も自分自身の言葉に傷ついている。


全身に張り巡らせた鋭い針がぶつかりあうように、
これ以上話し合っても
また互いを傷つけるだけかもしれない。



上条は静かに目を閉じた。


そして悩んだ挙句、そのまま透子の部屋を後にした。

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