四葉のクローバーの秘め事
「それにしても、薙晶はよっぽど四葉のクローバーが好きらしいですね。」


「ああ、この飴か?」



我黏が目で示した、先程までお気に入りだったクリスタル。

言い方が嫌そうなのは、気のせいではないだろう。



「それもそうなんですけど、携帯の待ち受けもストラップも四葉のクローバーでした。」



「四葉を押し花にした栞までありましたよ。」



転落時に持っていたと思われる鞄の中には、他にも手帳やペンなどもクローバーがあしらわれたものが多かった。



「病院にいた秘書によると、栞は特に大切にしてたようです。」



「変なとこで乙女チックだな。」



聞けば聞くほど、調べれば調べるほど、傍若無人の暴君以外の何者でもない薙晶の、そんな意外過ぎる一面が我黏には可笑しかった。



「しかも最近では、四葉型のUSBメモリまで作らせたみたいですよ。」


「筋金入りだな。」



これには馬鹿にして笑っていた我黏も、若干引きぎみである。



いつかは持ち物全てを四葉にしてしまうのではないか。

薙晶の持ち物から四葉のクローバーに対する執着が、何故だか強烈に感じてしまうのだった。
< 26 / 66 >

この作品をシェア

pagetop