夢の欠片 ~カタチあるもの~




昼休みは親友の陽菜と教室で一緒に食べることが普通になっていた。

クラスは違うけれどテスト期間じゃなければ大抵、席はちらほらと空いていた。


「でっ! 羚弥くんとはどうなのっ!?」


「ひぇっ」ぐりんと卵焼きをまっぷたつにしてしまった。「陽菜、きゅうにっ」


「ごめんごめん、で! どこまで? キスまで? それとも……」


「ストップ! はい、そこまでね。陽菜が思ってるようなことはなにもないから」


ん? そういえばなにもない。『大好き』なんて勢いで言っちゃったけどそれから時間とかなくて。


でも、今までのこと考える時間とか、テストも近いから勉強時間とか、二人の時間、とかもあったかな。


「ね、ね、優奈」


二人というか、私と羚弥君と真弓お姉ちゃんの三人の時間というか。


「ねえって、優奈」


いやでも仮にそうなったとして二人がそうなると真弓お姉ちゃんの立場とかもいろいろ……。


「ちょっと! 優奈!」


「はいっ、なんでしょう」


「ねぇあれ、ケンカ?」

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