【短編】毒舌教師の甘い罠
最初の印象は、明るくて優しそうな先生だなーって。
あたしは英語が一番の苦手科目だから、怖い先生に当たらなくて良かったなーって。
本当に、それくらいにしか思ってなかったんだ。
「翔ちゃんってさ」
「ん?」
「最初、めっちゃ優しい先生だと思ってた」
「はあ?お前が英語できるようになるためにこうして放課後補習までしてやってる今の俺が優しくねえってかおい」
クルクルと赤ペンを指で回しながら、呆れたように笑う翔ちゃん。