【短編】毒舌教師の甘い罠
「や、補習はありがたいけどさ!前は生徒に向かってアホとか言わなかったじゃん!」
ねえ翔ちゃん、気づいてる?
「今も、アホなんてお前にしか言わねえよ」
「うわ、差別だ差別!校長先生に訴えてやる」
毎週木曜日の放課後は、翔ちゃんと2人きりになれる唯一の時間だから。
朝早く起きて、寝癖だらけの髪をきちんと直してきたし。
滅多にしないメイクも、目立たない程度にだけどしてきたんだよ。
翔ちゃんに、ほんの少しでも可愛いって思われたくて。
「校長先生に訴えるのは、英語の成績クラス最下位を脱出してからな」