«過去アリ少女と訳アリ集団»





「 そ、俺らと同じ」



「……ふーん、あっそ!それで?なにが問題なのっ?」




一瞬曇った表情。



…まあ、仕方のないことだろう。



俺達にだって事情はある…。



─が、今それを出したところで何かが変わるわけでもない。


そう思った俺は気にしないフリをして、時雨の言葉に集中した。






「問題はね─彼女、鹿住莉麻(カスミリマ)ちゃんは喋れないんだ」







…は?


なんだそれ。





唖然としてるのは俺だけじゃない。


ただ一人、珊だけは表情を変えずに窓の外を見ていた。






「…君のことは、どこまで話していいんだっけ?君の親御さんから聞いたこと、話してしまってもいい?」



< 14 / 82 >

この作品をシェア

pagetop