«過去アリ少女と訳アリ集団»
それにしても…。
…いや、これも止めておくか。
出かけた言葉を思い返して飲み込む。
女は嫌いだが、それでも、人を傷つけることは苦手だ。
先程の話もあってか、俺の中に少しだけ女に対する同情が生まれていた。
同情、でしかないが。
「どう…かな」
時雨が少し眉を下げ、再度尋ねると、女はまた、少し考えた後に、
「…(コクン)」
頷いた。
「珊!了承貰えたよ!」
時雨が嬉々として報告すると!いつの間に読んでいたのか、お気に入りの分厚い辞書をパタンと閉じ、一言。
「…ん」
─こうして、生徒会に新たなメンバーが加わることとなった。