«過去アリ少女と訳アリ集団»
*3章*
♯開き始めた蕾と芽生え始めた心
♯沖said
「ねえねえ莉舞ちゃん!こっちのクッキーとこっちのチョコどっちが好き?」
「…(スッ)」
「チョコかー!」
あれから一週間が経った今、コミュニケーションがとれるようになった僕らは他愛の無い会話を延々と繰り返す程に、毎日顔を合わせ、話し、仕事を進めていた。
「おいてめぇら!時雨が茶ぁ淹れるって!!」
生徒会室に何故か併設されているキッチンから顔を出し、乱暴にそう言った都環に、次々にリクエストが飛び交う。
「ミルクティ~!!」
「俺レモンティーがいいな!」
「「ブロークンオレンジペコファニングス」」
「俺はブレンド」
「おい誰だ途中で訳の分からん名称出したやつ」
「誰だ」
「誰だろ」
「確固たる自信がある。確実に双子(お前ら)だ」
「……ブラック」