«過去アリ少女と訳アリ集団»
『ねえねえ莉麻ちゃん!こっちのクッキーとこっちのチョコどっちが好き?』
『…(スッ)』
『チョコかー!』
二人が楽しそうに会話をするのをみて、戸惑った。
沖は真っ直ぐな性格だから、きっと自分の過去も話したんだろう。
感化、されたのかな…莉舞ちゃんは。
でも、そんな簡単なことなのだろうか…。
僕はいつまで経っても、変われないのに。
「…どうすればいいの………」
何とも言えない感情が渦巻く中で、僕はゆっくりと、過去のことを思い返してみた─…。