«過去アリ少女と訳アリ集団»
勿論僕はその輪に入ることが出来ず、ただその光景を見ているだけだった。
それでも楽しかった。尚がいてくれたから。
どれだけ人気者になっても、僕を見捨てることはしなかった。
でも、それは間違いだった。
──────…。
「尚まだかなぁ…」
彼の帰りを待つべく、教室で一人、椅子に座っていた。
今日は彼の所属してい委員会の集会が突然入ってしまい一緒に帰る約束をしていたためこうして待っているのである。
(でさ~尚がよ…)
(ちょっ、それ言うなって!)
「尚だ…!!」
集会は思ったよりも早く切り上がったらしく、十分もしない内に帰ってきた。
(とか言って~!!)
(ギャハハハッ!!ヤベェなっ!!)
「…そうだ!ちょっと隠れちゃおっ!」
ほんの悪戯心で素早く教卓の下へ逃げ込む。
と、同時に尚とその友達が教室に入ってきた。
「おーい侑麻ぁ…あれ、侑麻は?」