«過去アリ少女と訳アリ集団»





「…でも」




先程より不安の色を濃くした声で沖は続ける。






「侑麻は一体…何に悩んでいるのかな」






核心を突いた沖の言葉に、一斉に口をつぐむ。





暫くの静寂の後で、都環が静かに口を開く。






「…あいつが…過去のことを気にしてるのは分かってた。でも、今になって深刻に悩みだした事が分かんねぇ」






…確かに。時々侑麻の表情が陰ることがあったのはみんな知っていたし、お互い知っているからこそ何も言わなかった。




< 66 / 82 >

この作品をシェア

pagetop