«過去アリ少女と訳アリ集団»
「………」
都環の視線はまだ堅く、結んだ唇を頑なに閉ざしたままだが、女の意志については肯定も否定もしなかった。
「莉麻ちゃん!話して…えーと、書いてくれてありがとう!君の気持ち知れてよかった!」
沖が本当に嬉しそうに微笑み、緊張していた空気がわずかに柔らかくなる。
「一刻も早く連れ戻すぞ。あいつのせいで俺に仕事回ってくんだから…」
「「そうそう。その回ってきた仕事を俺らが処理してんだから」」
「うっ…!!うるせええ!!!!と、とにかくさっさと連れ戻すぞ!!」
分かり易いぐらい動揺している都環はさておいて。
…ま、侑麻がしている仕事は結構頭使うからな。
あいつ見た目も性格も子供だけど頭だけはいいんだよな…。
都環は見た目も頭も子供。性格は…意外と大人なんだよな。
「足して二で割ればいいのに…」
「あ?何言ってんだ?つか、早く行くぞ」
「あ、ああ…」
口にでてしまってた…。